チャンピックスなどの禁煙補助薬を使って禁煙する方法

今回は禁煙補助薬を使って禁煙する方法、ということで禁煙の方法の中でも現代的な禁煙補助薬を使っての禁煙方法を紹介していきたいと思います。

禁煙補助薬といっても、代表的なものだけ上げてもニコチンを摂取してタバコを吸いたい気持ちを抑えるニコチン製剤と、医師からの処方箋が必要になりますが、ニコチンを含まない強力な禁煙補助薬が存在します。

具体的には、ニコチン製剤として有名なニコチンガムやニコチンパッチは全国のドラッグストアでも店頭に並んでいる禁煙補助薬として有名です。

 

ニコチンパッチ自体は禁煙外来などで医師から処方されることもありますが、基本的には市販されているものとの違いは、医療用のものは皮膚への負担が少ないということです。

皮膚の炎症などが気になる方は診察時に申し出るといいかもしれません。

 

そして、禁煙外来で現在最も多く使われていて、成果も上げている禁煙補助薬としてはチャンピックスバレニクリン酒石塩錠が挙げられます。

今日はここで挙げた、現在ポピュラーに使われている禁煙補助薬の使用感や効果、そして注意しなくてはならない副作用についてまとめていきたいと思います。

 

市販されているものは手軽に利用できると思いますが、医師の処方箋が必要な薬剤に関しては、禁煙補助薬は一部のニコチン中毒の患者さんでないと保険が適用にならず高額な医療費がかかってしまいますので、禁煙外来の保険の適用基準ついても合わせて記述していきますので、気になる方はチェックしてみてください。

1.ニコチンガムでの禁煙方法

一昔前は禁煙補助薬といえば、このニコチン含有のガムが一般的なものとして広く知られていました。

口の中の粘膜からニコチンを摂取して、タバコを吸いたい気持ちを抑えるようにさせるのが狙いです。

試用期間の目安は1ヶ月ほどが推奨されていて、その間に禁煙が成功するのが理想的とされています。

 

市販薬として広く流通しているのが特徴で、身近で手軽に生活に取り入れることのできる禁煙補助薬ですので、忙しくて病院に行く暇がないような人でも始めやすい禁煙方法です。

製造メーカーとしてはノバルティスファーマ社のニコチネルシリーズや、ジョンソンエンドジョンソン社のニコレットシリーズが有名でネームバリューがあるものですので安心かもしれません。

どちらもニコチン含有量は2mgと少なめになっていますが、市販薬ですのでこのへんのラインは厳しく設定されているようです。

 

使用方法としては、タバコが吸いたい気持ちが抑えられなくなったら一回一錠をゆっくりと時間をかけて噛むことを心がけて使用します。

一日の喫煙法数に応じてニコチンガムの一日の摂取量の目安が決まっており、一日20本以下の喫煙量だった場合は一日5錠ほど。

それ以上の喫煙量だった場合、喫煙本数に応じて比例してニコチンガムの摂取量も増えていくのですが、ガムとはいえニコチンを含むものになっているので、制限は24錠までとされています。

 

一日の摂量が一錠、二錠ほどになったらニコチンガムの摂取をやめてみましょう。

禁煙がすでに成功しているかもしれません。

タバコが我慢できなくなった時に、時間をかけて一錠をゆっくりと噛むということがニコチンガムでの禁煙方法のコツと言えるでしょう。

 

ニコチンガムのメリットとしては、急な喫煙欲求にすぐさま対応できることが特徴と言え、ニコチンの依存の他にも、口が寂しくてタバコを吸ってしまう、というような行動の依存由来の患者さんに効果が高いと言えます。

逆にニコチンガムのデメリットとしては、普通のガムよりもニコチンを含んでいる分固めの噛み心地になっているので、噛み方にコツがいります。

さらにニコチン由来の成分が喉や口内を荒れさせてしまう可能性もありますし、基本的にはガムですので食べ続けるとお腹がゆるくなったりすることがあります。

 

さらに、喫煙者は口腔内が酸性になりやすいことが知られていますが、ニコチンガムは口腔内が酸性だとニコチンが粘膜から吸収されづらくなりますので、効果が薄くなってしまいます。

ニコチンガムを噛む前は、一度簡単な口腔ケアをしてから使用すると本来の効果が発揮しやすいでしょう。

 

価格は90個入りのものが4000円程度のものが一般的に売られています。

市販で売られているくらいなので、ニコチンガムは保険の適用外になります。

かかる費用は全て自費になりますので注意しましょう。

2.ニコチンパッチによる禁煙方法

ニコチンパッチは、皮膚に直接貼って過ごすことでニコチンを吸収してタバコを吸いたい気持ちを抑える禁煙補助薬です。

市販されているものも存在し、こちらもニコチンガムと並んで身近で手軽に禁煙に取り組みやすいものになっています。

特にオフィス仕事など、業務中にニコチンガムを噛むことが憚られるような職業の方も多いと思いますので、そのような人たちに人気になっています。

 

医師からの処方箋によって出されるニコチンパッチについてはニコチネルTTSシリーズというのが現在の主流になっていて、市販のものに比べると皮膚への負担が医学的に考えられた作りになっています。

ニコチンパッチによる禁煙治療は、一日中皮膚に直接パッチを貼ることになりますので、皮膚への負担が大きいことからこういった配慮がなされています。

市販されているものですと、スミスクライン社や、大正製薬のニコチンパッチが市場に出回っているものとしては有名で、ニコチン含有量の幅の選択肢も多いことからヘビースモーカーの方の禁煙補助薬としても対応できるものになっています。

 

ニコチンパッチの使用方法としては、医療用のものは皮膚に対しての負担が少ないものになっているので、24時間貼りっぱなしのものが多数あります。

禁煙外来を受診される依存度の高い患者さん用のものですので、こういった仕様の物が多いそうです。

市販されているニコチンパッチは比較して皮膚への負担が大きいものになりますので、起床時から就寝時までのパッチの使のものが多くを占めています。

 

また、医療用も市販のものも、パッチ自体を同じ箇所に毎日貼ってしまいますと、余計に皮膚への負担が増えますので、毎回貼る箇所を少しづつ変えていくことと、入浴前後は新しいパッチに貼り替えることがニコチンパッチでの禁煙のコツと言えます。

ニコチンパッチのメリットをまとめると、毎日の治療の中で目立たずに使用出来ることと、皮膚に直接貼るものですので確実に長時間、少量づつニコチンを摂取できるので、タバコを吸いたい気持ちを抑えやすい薬品と言えるでしょう。

 

一方、デメリットですが、皮膚のかぶれや肌質によっては、継続が難しい人がいます。

それに加え、パッチは基本的に終日貼りっぱなしですのでニコチンの摂取量を調節できず、その摂取しすぎたニコチンが頭痛やめまいを引き起こす恐れがあります。

さらに、突然の爆発的な喫煙欲求には対応ができないことと、不眠の発生確率が増えるというデータも存在します。

 

市販のものはもちろん、保険適応外ですので購入の際は注意しましょう。

3.チャンピックスによる禁煙方法

ニコチンを含まない禁煙補助薬として、現在禁煙外来において主に使われているチャンピックスですが、こちらは市販されているものは存在しませんので、日本にいる限りでは禁煙外来を利用する他に保険の適用内で手に入れる手段はありません。

非常に禁煙効果、喫煙抑制に効果が高いとされていて、医療の現場において禁煙補助薬の最高峰とされている薬品です。

 

チャンピックスの主成分がバレニクリンになっていて、このバレニクリンが人の脳にあるニコチン許容体とニコチンよりも先に結合してタバコに対する快楽度、幸福度を抑え、結果的にタバコが美味しくない、タバコが不味い、と脳に認識させる働きを持ちます。

タバコによる幸福度が制限されることによって、ニコチン依存から脱出できるという論法なのです。

 

ただ、完全にニコチン許容体をチャンピックスによって塞いでしまうと、喫煙自体を辞めた時の虚脱症状が大きく出すぎてしまうため、海外などではその危険性も指摘されています。

そのため、一般的には出回らずに医療用の物のみ処方が必要な際に限り医師の判断で患者は服用できることになっています。

 

チャンピックスの使用に関しては先述した通りまず医師の診断が必要になります。

その際に患者のニコチン依存の度合いが保険の適用範囲かを調べる検査、カウンセリングが存在します。

 

その中で、一番の適用ラインになっているのが1日の平均喫煙本数×喫煙年数=200を超えているかどうかの計算です。

この数字を超えていないと、保険の適用内で禁煙外来を受けることができませんので、最初に自分でチェックしてみることをお勧めします。

 

ここからは具体的な使用方法なのですが、バレニクリンの効果としては脳内のニコチン許容体を塞いでしまう働きがあることをお話ししました。

そのため、禁煙前からの補助薬の服用が必要ですので、基本的には禁煙一週間前からチャンピックスを処方されることになるでしょう。

 

チャンピックスの服用が始まって8日目で初めて、タバコを吸わないで下さいね、と医師から宣告されるわけです。

しかし早い人ですと、チャンピックスの服用を初めてその日にはタバコが不味くて吸えなくなるという話も聞かれますので、一週間無理して喫煙しなくても大丈夫です。

 

そして禁煙指示後は、医師が副作用の出方を慎重に判断しながらチャンピックスの処方の量を決めていきます。

基本的な禁煙外来のプログラムは12週間で終わりますが、効果が薄い、または禁煙は成功しているが復煙の可能性が高いと自覚や医師の判断があった場合、保険の適用内で最大さらに12週間のチャンピックスの服用が延長できます。

 

このように非常に効果が高く、メリットも多いチャンピックスの服用ですが、その効果の高さから大きな副作用に悩まされる患者さんも大勢います。

最後にチャンピックスの注意すべき副作用について記述します。

 

主な副作用として多いのが、不眠や吐き気、頭痛、便秘などがよく現れるようです。

強く副作用が出る方だと、毎日二日酔いの状態だと形容する患者さんもいますので、そういった患者さんには酔い止めの薬も一緒に処方されます。

 

他には、脳の分泌成分に直接作用する薬品ですので、変な夢を見ることが増えたり、気分がダウナーになってしまったりすることもあるようです。

同じ理由で、統合失調症や双極性障害やうつ病の患者さんにはその処方が制限されるなど、精神に大きく作用する禁煙補助薬だと言えるでしょう。

まとめ

禁煙を成功させたい方はまずは、市販の禁煙補助薬を使用してみて自身に合った方法での禁煙方法を探してみてはいかがでしょうか。

最終的には医療機関の受診という手段もありますし、気負いせずに気軽に禁煙を始めてみてくださいね。

禁煙中は補助薬の副作用でなくとも、イライラや不眠、気分障害や不安症状は出てくるものですので、気にしすぎるのも精神衛生上よくありません。

 

また、ここに記述した代表的な禁煙補助薬もそうなのですが、基本的に相乗させての服用は禁止、もしくは非推奨になっている薬品が多いのも禁煙補助薬の基本的な特徴ですので、補助薬同士の併用は避けるように心がけてください。

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